「疲労が抜けずにパフォーマンスが上がらない」
「試合で活躍したい」
「試合後なかなか疲れが取れない」
サッカー選手にとって、疲労回復というのはとても重要な要素です。特に、試合期にもなると、いかに早く疲労回復するかというのが求められます。
入浴を軽視していると、毎日回復できたはずの疲労が蓄積してしまい、パフォーマンスに影響がでてしまうかもしれません。入浴は日本人の習慣。つまり、誰でも手軽に利用できます。入浴がもし、疲労回復に効果的なら使わない手はないですよね?
”シャワーだけ、入浴は数十秒だけ、あなたは疲労回復できていますか?”
ということで今回は、「サッカー選手にとって入浴は疲労回復に効果的なのか」というテーマでお話します。
本記事を読めば
- 疲労とはそもそもなんなのか、体で何が起こっているのか分かる
- 入浴にはどんな効果があるのか分かる
- サッカー選手にとって入浴が疲労回復に効果的なのか分かる
目次
【大前提:入浴より大事かも】そもそもサッカー選手にとっての疲労とはなんなのか
疲労回復したいけど、そもそも疲労ってなんなのででしょう。
以下の3つをまずは明確にしましょう。これが分かると、入浴で何が疲労回復できそうなのか分かりますね。
- 大前提①:疲労回復しないと起こってしまうこと
- 大前提②:疲労ってなんなのか
- 大前提③:疲労回復に確実に必要となるもの
この辺をまずははっきりさせてあげると、入浴の効果も分かりやすくなりますね。
そんなに長い話にはならないので、流しながらご覧ください。
大前提①:サッカー選手が疲労回復しないと起こってしまうこと
通常、トレーニングというのは回復の時間を取らなければなりません。
これを無視し続けてしまうと、オーバートレーニング症候群になってしまいます。
オーバートレーニング症候群とは?
スポーツ活動などによって生じた生理的な疲労、精神的な疲労が十分に回復しないまま積み重なり、常に疲労を感じる慢性疲労状態となることです
1)厚生労働省 e-ヘルスネット
オーバートレーニング症候群にみられる症状
- 疲れやすくなる
- 競技力の低下
- 倦怠感、睡眠障害
- 安静時心拍数の増加
- 体重減少
などの症状がみられます。サッカー日本代表としてカタールW杯でも活躍した権田修一選手も過去にこの症状に陥ってしまい、一時プレーができない時期がありました。
大前提②:サッカー選手にとっての疲労ってなんなのか
僕なりに調べた結果、多くのトレーナーさんによって定義が分かれていましたが、大きく分けて2種類の疲労が存在すると考えます。
サッカー選手にとっての二種類の疲労
- 肉体的疲労
- 精神的疲労
みなさん、練習や試合後に疲れたなと感じることが多くありますよね。
それって体の中で何が起こっているかご存知でしょうか?
筋肉の疲労を一番思い浮かべやすいと思いますが、体では他の部分も疲れています。
具体的には以下の通り。
練習後・試合後に体で起こっていること
- エネルギーの枯渇
- 脱水による体温の上昇
- 疲労物質(代謝産物)の蓄積
- 筋痛・筋損傷
- ストレス・不快感
なんとなく、聞いたことがあると思います。
では、どうすれば疲労回復できるのでしょうか。
大前提③:疲労回復に確実に必要なもの
疲労回復に確実に必要なものを紹介します。
入浴の前に、まず大前提に必要となるもの。
それは、食事と睡眠です。
なぜ、食事と睡眠が必要なのか
食事と睡眠は、人間が健康に生きていくために基本的に必要だからです。
つまり、疲労回復における重要度・優先度が高いということ。
それぞれの役割
- 食事:体に栄養素を補給し、エネルギーを補充するために必要
- 睡眠:体を休め回復するために必要
サッカー選手にとって入浴は疲労回復に効果的なの?
結論、入浴によって筋肉疲労(肉体的疲労)の回復に効果的です。その他副次的な効果も期待できます。
事実①:筋肉疲労は乳酸が原因ではない
疲労といわれて、いちばんよく言われているのは「乳酸」だと思います。乳酸は、再びエネルギー源として利用されることから一概に悪いものとは言えません。
このことから、疲労物質(代謝産物)と言われています。激しい運動をしたことによる、代謝物。運動の強度を示しているものとして扱われています。
事実②:では、筋肉疲労の原因とは?
まだ詳しく解明されていませんが、いろんな説をまとめると激しい運動による体内バランスの乱れみたいです。 → 詳しくは知りたい方はこちらをご覧ください。
事実③:いずれにせよ、血液の循環が必要
いずれにしても、筋肉疲労の回復には血液の循環が必要です。
なぜなら、血液循環を促進することで、疲労物質の除去、回復に必要な栄養を運搬させることができるから。
サッカーでの筋肉疲労を回復する入浴の物理的作用とは?
入浴には3つの物理的作用があります。
この3つの物理的作用が、筋肉疲労の回復を促進します。
入浴の3つの物理的作用
- ①:温熱作用
- ②:水圧作用
- ③:浮力作用
①:温熱作用
温熱作用とは、体が温まる効果のこと。
入浴をすることで、体は温まり、皮膚の毛細血管や皮下の血管が開き、全身の血流が促進します。
サッカー日本代表も炭酸泉に入浴している
実は、サッカー日本代表も炭酸泉を有効活用しています。
炭酸泉とは、お湯の中に炭酸ガスが溶けこんでいるお風呂のこと。炭酸泉は体に付着した炭酸ガスに血管を拡張する効果があり、血流の改善にもってこいなお風呂です。
②:水圧作用
水圧作用とは、水中によって受ける圧力のこと。
入浴では、体に程よく圧力がかかります。圧力によって、血行が促進。血流が良くなるので、手足の冷えも改善します。
③:浮力作用
入浴によって、重力が軽減される作用のこと。
体の重力が軽減されるので、関節や筋肉にかかっていた負担が軽減されます。緊張状態にあった、筋肉もほぐれ、他の作用とも相互に良い関係をもたらします。
空気中に比べて体にかかる重力は9分の1の重さになります。 負担が軽減されて、リラックスできます。
お風呂で得られる効果はそれだけではない
ここまで、入浴の物理的作用が血流を促進し、筋肉疲労の回復に効果的だと紹介しました。しかし、入浴には他にも様々な効果があります。以下の通り。
- 副交換神経が優位になりリラックスできる
- 体の深部体温が上がり、寝つきがよくなる・睡眠の質が高まる
お風呂に入るだけで、こんなにも様々な効果が得られます。
シャワーだけで済ませるのではなく、浴槽に入ってゆっくりしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回の記事、簡単にまとめました。
サッカー選手にとっての疲労とは?
- ①:サッカー選手は疲労回復しないと、オーバートレーニング症候群になってパフォーマンスは低下する
- ②:サッカー選手にとっての疲労とは、肉体的疲労と精神的疲労がある
- ③:疲労回復にはまず、食事と睡眠が必要
そして、入浴はサッカー選手に疲労回復に効果的だということがわかりました。
サッカー選手の筋疲労を回復する入浴の物理的作用3つ
- ①:温熱作用
- ①:水圧作用
- ①:浮力作用
これら3つの物理的作用が血流を促進し、疲労回復につながります。
その他にも、リラックス効果、寝つきがよくなり睡眠の質が高まるなど、他にも様々な効果が入浴で得られることがわかりました。
少しでも疲労回復すれば、フィジカルパフォーマンスはそれに応じて上がります。
もし今、パフォーマンスが悪いのであれば、分かりやすい部分から行動して何か変えてみることをおすすめします。その一つとして、入浴での疲労回復をあなたに提案したく本記事を書きました。