「試合前にカフェイン摂取しているけど、あまり効果を感じない」
「カフェインの必要量を摂取しようとすると、お腹たぽたぽになる」
「カフェインを効率的に摂取したい」
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試合前のカフェイン摂取のタイミングはいつ・量はどのくらい?
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上の記事では、試合前のカフェイン量は体重1kgあたり3〜6mg摂取するのが効果的だと紹介しました。でも、このカフェイン量をコーヒーやエナジードリンクで摂取しようとすると、かなりの量になってしまいます。
僕の体重(65kg)で例えるなら、コーヒー1杯(150mlでカフェイン80mg)なので、試合前は約2.5杯飲む必要があります。レッドブル1缶(250ml)でカフェイン80mgなので、レッドブルだともっと飲む必要があります。
これを踏まえた上で今回は、「試合前のカフェイン摂取におすすめのもの」を紹介します。
本記事を読めば
- 試合前に効果的にカフェインが摂取できるものがわかる
- カフェインと一緒に摂取するといいものがわかる
目次
試合前のカフェイン摂取におすすめのもの【結論】
試合前のカフェイン摂取は「カフェイン錠剤」がおすすめ。
簡単な理由としては以下の通り。
- ①:カフェインの必要摂取量を最小限の量で摂取できる
- ②:過度な血糖値の上昇を抑えることができる
- ③:安価に入手できて、手軽に摂取できる
①:必要摂取量を最小限の量で摂取できる
冒頭でもお伝えした通り、コーヒーやレッドブルなどで試合前のカフェイン摂取量を摂取しようとするとかなりの量になってしまいます。
しかし、カフェイン錠剤であれば多くても2〜3錠を摂取すれば、必要な量を摂取できます。
手軽に摂取できる
試合前って、なにかと時間がないですよね。(アップやミーティングがあるので)
しかし、カフェイン錠剤であればかなり手軽に摂取できるのでとても楽です。
試合前にコーヒーとかエナジードリンクって結構お腹もふくれます。錠剤ならお腹に負担もかけずに済みます。
②:過度な血糖値の上昇を抑えることができる
カフェイン錠剤は過度な血糖値の上昇を抑えることができます。
血糖値というのは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと。糖分を摂ると、当然血糖値も上がります。
糖分の急激な摂取は良くない
特にこれは、糖分の多いエナジードリンクなどで起こるのですが、血糖値が急激に上昇してしまいます。
なんで過度に血糖値が上昇してはいけないのか
それは、過度に急激に血糖値が上がると、体の中ではインスリンが分泌されすぎてしまい血糖値を下げすぎてしまうから。(インスリンは血糖値を抑える)
血糖値が下がると
- 吐き気
- 疲れやすい
- 眠気
- 頭痛
- キレやすい
- イライラする
- 集中力低下
- 冷や汗
- 消化不良
などの症状がでてしまいます。
これらの症状がでてしまったという人は糖分を急激に摂取したことによる反応性低血糖かもしれません。そう、だから錠剤がいいんです。
不必要な血糖値の上昇、下降を防ぐことができます。
③:安価に入手できる
カフェイン錠剤はエナジードリンクやコーヒーに比べて安いです。
カフェイン錠剤はコスパ高い
- エナジードリンク → 200円前後
- コーヒー → 安くても100円から
- カフェイン錠剤1粒あたり → 10円前後
カフェイン錠剤は1粒あたりにカフェインがコーヒー1杯程度(80mg前後)配合されているものが多いです。
レッドブルの場合、250mlでコーヒーと同等程度のカフェインが摂取できます。
試合前のカフェインは体重1kgあたり3〜6mg摂取するとパフォーマンスアップの効果が期待できます。僕は体重65kgなので、最低限のカフェイン3mgを摂取しようとすると、 3mg × 65kg = 195mg のカフェインが必要になります。
つまり錠剤であれば3粒で約30円程度で済みます。これらを踏まえると、やはりカフェイン錠剤がおすすめです。
某メンタリストさんも紹介していたカフェイン錠剤
試合前、カフェイン以外におすすめのもの
ここまでは、試合前にカフェインを取るならカフェイン錠剤がいいよっていう話をしてきました。
ここからは、「カフェイン取るならこの栄養素も取るといいよ」というものを紹介します。以下の通り。
試合前にカフェインを摂るならこの栄養素もおすすめ
- その①:クレアチン
- その②:βアラニン
- その③:重曹
その①:クレアチン
クレアチンはアミノ酸の一種で、体内で合成されクレアチンリン酸として筋肉に存在します。そして、クレアチンリン酸は、筋肉のエネルギーとなるATPの再合成をします。
クレアチンの効果
- 運動パフォーマンス向上
- 筋肉量増加
- 瞬発パワーの強化
メカニズムがわからないですよね。 詳しく解説します。
ATPってそもそもなに?
ATP(アデノシン三リン酸)は筋肉に貯蔵されており、無酸素運動(筋肉を動かしたり、ダッシュしたり)の時に使われるエネルギーです。アデニン、リボース、リン酸という3つで構成されています。ATPが分解されADP(アデノシン2リン酸)になるときにエネルギーが生まれます。
クレアチンリン酸(クレアチン)はATPを再合成する
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ATPがADPになる → 筋収縮のエネルギーが生まれる → 体内のクレアチンリン酸がリン酸をADPに与える → ATP再合成
国際栄養スポーツ学会でも認められるクレアチン
クレアチンは、国際栄養スポーツ学会1) で筋肉形成やパフォーマンス向上に強いエビデンスと安全性を持つ成分であるとされています。
その②:β-アラニン
βアラニンはアミノ酸の一種で、摂取し体内のヒスチジン(アミノ酸)と結合することで、カルノシンを合成します。
カルノシンは、激しい運動をすることによる筋肉内のph値の低下を中和する役割を持ちます。
乳酸は疲労ではなくph値の低下
以前までは、疲れると「乳酸が溜まって動けない」「乳酸は疲労物質」と言われてきました。
しかし最近は乳酸の生成過程で発生する水素イオンにより、筋肉のph値が低下することが疲労の原因と考えられています。
つまりβアラニンを摂取し、カルノシンが体内で合成され、ph値の低下を中和することで以下の効果が期待できます。
βアラニンの効果
- 運動持久力アップ
- 回復力アップ
科学的に信頼度も高い
βアラニンも、国際栄養スポーツ学会1) ではエビデンスがあり、安全性が高いことを示されています。
その③:重曹
重曹の摂取も、パフォーマンスを向上させます。
原理としては、βアラニンと似ています。
アルカリ性である重曹が、運動をすることで起こる筋肉内のph値の低下を抑制します。
重曹摂取による効果
- 持久力アップ
- 疲れにくくなる
最も研究されてきた信頼できるエルゴジェニックエイド
重曹は、その手軽さからなのか最も研究の多いエルゴジェニックエイド(パフォーマンスアップが期待できる物質)です。
安心して、摂取できますね。
とはいえ、どうやって摂取する?
重曹というと、洗剤としても使えたり、自作で炭酸水をつくれたりしますよね。
しゅわしゅわとお腹が膨れて「体が返って重くなるのでは?」と考える人も多いと思います。
そこがデメリットの一つですが、こんな摂取の仕方が国際栄養スポーツ学会2) の論文に示されていました。
- 長期的な摂取:トレーニング前に毎回少量摂取する
- 少量(体重1キロあたり0.2〜0.3g)を運動の180分前に摂取
どうやら少量でも、効果を示す可能性が高いようです。
無理のない範囲で摂取しましょう。
まとめ
まとめると以下の通り。
試合前のカフェイン摂取はカフェイン錠剤がおすすめ
- ①:カフェインの必要摂取量を最小限の量で摂取できる
- ②:過度な血糖値の上昇を抑えることができる
- ③:安価に入手できて、手軽に摂取できる
試合前カフェイン以外のおすすめ
- ①:クレアチン
- ②:βアラニン
- ③:重曹
いかがだったでしょうか。
近いうちに試合がある方はぜひ、試合前のカフェイン摂取にカフェイン錠剤を試してみてください。また、カフェイン以外の栄養素にも注目して摂取してみてください。
よんでいただき、ありがとうございました。
参考文献
1) Chad M. Kerksick et al., ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations Journal of the International Society of Sports Nutrition (2018) 15:38
2) Dietary and Ergogenic Supplementation to Improve Elite Soccer Players's Performance. 〔Ann Nutr Metab. 2021 Jun11;1-7〕