「タンパク質は体重の2倍摂取は嘘なの?」
「筋トレはしてるけど、なかなか体が大きくならない」
「ぶっちゃけお金もないしそんなにタンパク質摂取できない」
「78.8g」
この数字を見て何をイメージしますか?
実はこれ、厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」1)の日本人成人男性の1日のタンパク質摂取量の平均値です。体重60kg前後の人がもし、このぐらいのタンパク質量しか取れていない場合、筋肉が大きくなる可能性は低いです。
「じゃあやっぱりタンパク質は体重の2倍摂取したほうがいいの?」
本記事では、そこらへん明らかにしていきます。
本記事を読めば
- 1日のタンパク質量は本当に体重の2倍なのか、はっきりとわかる
- 筋肉量を増やすために「筋トレ以外」にできること・やるべきこと
目次
体を大きくしないならタンパク質を体重の2倍は半分嘘・半分ホントです。
体を大きくしたいなら、タンパク質を体重の2倍は半分嘘で半分ホントなんです。
簡単に説明するとこんな感じ
- 誤:体を大きくしたいなら、タンパク質は体重の2倍摂取しないといけない
- 正:体を大きくしたいなら、タンパク質は体重の2倍取っておくと安心
研究による見解
国際栄養スポーツ学会(ISSN) 2)の見解を見ていきましょう。
ちなみにISSNは、米国で設立されたスポーツ栄養に特化した学会です。
ISSNは、タンパク質は体重1kgあたり1.4グラムから2グラムの摂取を推奨しています。つまり、この範囲であれば筋肉量を構築し、筋肉タンパク質のバランスを正にして、筋肉量を維持できるということ。
もっと分かりやすい解釈
ISSNの見解をもっと分かりやすく解釈してみましょう。
僕なりにこう解釈しました。
体を大きくしたければ、体重1kgあたり1.4gから2グラム摂取すれば問題ない。2g摂取してもいいし、1.4gから摂取してもいい。個人差もあるので、それぞれに委ねる。
確実にデカくしたければ、2g摂取しよう
とはいえ、確実にデカくしたいなら体重の2倍摂取がおすすめ。
メンタル的にも2gは取ってけば安心ですよね。
補足:競技アスリートはどのくらい?
「スポーツをしながら、筋肉量も増やしていきたい」
そういう人は当然2g必要です。
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サッカー選手が摂取するべきプロテインの量は?1日にたんぱく質どのくらい取ればいいの?
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上記の記事にもありますが、競技のタイプ別に推奨されるタンパク質量があります。
アメリカスポーツ医学会3)が2009年に発表した「栄養とスポーツパフォーマンス」に関する声明1の中で推奨されるたんぱく質量は以下の通り。
体重1kgあたりに求められるたんぱく質必要量(推奨)
- 持久系競技:1.2〜1.4g
- 瞬発系競技:1.5〜1.7g
無理のない範囲でタンパク質を摂取しましょう。
「タンパク質は体重の2倍は嘘?」と考える前にできること・やるべきこと
「トレーニングはしているけど、あまり体が大きくならない」
体が大きくならないという人は様々な要因が考えられます。
栄養やトレーニング、睡眠など様々です。
そこで今回は、今すぐにできることをご紹介します。
以下の通り
- ①:ちゃんと寝る
- ②:禁酒
- ③:野菜食べる
①:ちゃんと寝る
トレーニングをしたらちゃんと睡眠をとりましょう。
成長ホルモンが体をデカくする
睡眠中は成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは、筋トレによって傷ついた筋肉を修復します。
「質の前に量を」
「睡眠の質を高めれば睡眠は短くてもいい」
そんなことを考える前にまずは、量の睡眠をとりましょう。
上記動画は、睡眠学者、柳沢正史さんが質問に答えていく動画です。
「睡眠の質に最も効果的なことは?」という質問に対して、
「まず、はじめに睡眠の質の中で一番大事なのは、睡眠の量です」と回答しています。
やはり、まずは睡眠の量を確保するということが重要みたいですね。
②:禁酒
筋トレを行った日に、飲酒するのはできるだけ控えた方がいいです。
せっかく頑張っても分解されてしまう
アルコールを摂取すると筋肉が分解されてしまう恐れがあります。
これは、飲酒時にコルチゾールというホルモンが分泌されてしまうため。
飲むなら筋トレしない日に飲酒を
「飲まない」のがベストですが、
もし飲むなら筋トレしない日・筋肉痛がきていない日にお酒を飲みましょう。
③:野菜食べる
「タンパク質だけ摂取しとけば大丈夫」
それだと、体は大きくなりません。
結論としては、「野菜食べて微量栄養素を摂取しろ」です。
微量栄養素は、ビタミンやミネラルのこと。
効率的に筋肉を大きくできる
- ビタミン:筋肉の合成を助ける・疲労回復促進
- ミネラル:運動によって不足しやすい機能を回復
簡単ですが、おおまかにこんな感じの役割をそれぞれ持っています。
とはいえ、どんな野菜をとればいいのかわからないと思います。
おすすめの野菜3つ
- 小松菜
- ブロッコリー
- 枝豆
特に色の濃い野菜は積極的に摂取しましょう。 なぜなら、濃い野菜、つまり緑黄色野菜は多くの栄養成分が含まれている場合が多いからです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
まとめると以下の通り。
「タンパク質を体重の2倍摂取」は半分ホントで半分嘘
体を大きくしたければ、体重1kgあたり1.4gから2gのタンパク質の摂取が推奨されている。個人差があるので、自分に合ったタンパク質量を摂取しましょう。
体があまり大きくならない人が今日からできること
- ①:ちゃんと寝る
- ②:禁酒
- ③:野菜食べる
シンプルですが、基本的なことが重要です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考文献
1) 厚生労働省(2019)「令和元年国民健康・栄養調査報告」.
2) Jäger, R., Kerksick, C.M., Campbell, B.I. et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr 14, 20 (2017). https://doi.org/10.1186/s12970-017-0177-8
3) Rodriguez NR et al.: American College of Sports Medicine position stand. Nutrition and athletic performance. Med Sci Sports Exerc, 41: 709-731, 2009.